Vibrio marinusの低温生育に関与する遺伝子の探索(西九州大学)

概要

論文の詳細を見る
好冷菌も,中温菌や低温菌と同様に低温生育に関与する遺伝子,つまりcsp遺伝子をもっているのではないかと考え,好冷菌Vibrio marinusのcsp遺伝子の探索を行った。まず,種間で保存されているcspの遺伝子配列をもとに3組のdegenerateプライマー(csp1, csp2, csp3)を設計しPCRを行った。その結果,csp1, 2プライマーを用いた際に推定遺伝子サイズである200bp付近にDNAの増幅が認められた。そこで,共雑DNAの少ないcsp1の増幅DNAの塩基配列解析を行ったところ,179塩基配列を決定することができた。さらに,塩基配列より推定されるアミノ酸配列をもとにホモロジー検索を行ったところ,大腸菌やサルモネラのcsp遺伝子と45%以上の高い相同性を示すことが分かり,好冷菌V. marinusにもcsp遺伝子が存在することが推測された。また,この遺伝子の中にはRNP1とRNP2の2つのRNA結合類似モチーフが存在したことから,V. marinusのCspもRNAシャペロンとして機能している可能性があると考えられた。
2006-03-01