個人レベルの文化的要因が顧客満足度と再購買意図に及ぼす影響

概要

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顧客満足度やロイヤリティの要因が広く研究されている中で,その文化的要因や価値観に焦点を当てた研究は少ない.既存研究では国家間で顧客満足度を比較し,その違いを国民文化の観点から考察しているが,本研究は個人レベルでも国民文化および価値観が,顧客満足度やロイヤリティの尺度の一つである再購買意図に影響を与えるという仮説のもとで,その検証を行うものである.Hofstedeの国の文化を表す「権力格差」「個人主義」「男性らしさ」「不確実性回避」を個人の文化の差異を測る指標として用い,そして文化から派生する価値観である多様性追求欲求,スイッチングコストの指標を加えて,8つの製品・サービスを取り上げて調査を行うことで分析を行った.その結果,顧客満足度については,スイッチングコストを媒介変数として,それが高い層については国家レベルと同様な個人主義が正,不確実性回避が負の有意な影響を与えることを見いだせた.また,再購買意図については,従来考えられてきたスイッチングコストおよび顧客満足度の影響に加えて,特にサービスにおいて多様性追求欲求が負の影響を与えるというモデルを抽出することができた.
2008-04-15