ミナミキイロアザミウマとカンザワハダニに対するヒメジンガサハナカメムシの餌選好性
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概要
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ヒメジンガサハナカメムシ (以下ヒメジンガサ) のミナミキイロアザミウマ (以下ミナミキイロ) とカンザワハダニ (以下カンザワ) に対する餌選好性を明らかにするために, これら 2 餌種に対するヒメジンガサ雌成虫の捕食量を比較した. ヒメジンガサのミナミキイロ 2 齢幼虫に対する捕食数は, カンザワ雌成虫が存在しても有意に減少しなかった. 対照的に, ヒメジンガサのカンザワ雌成虫に対する捕食数は, ミナミキイロ 2 齢幼虫が存在することで有意に減少した. ミナミキイロ 2 齢幼虫またはカンザワ雌成虫を単独で60頭与えた場合, ヒメジンガサの捕食量はミナミキイロよりカンザワに対しての方が有意に多かった. ミナミキイロ 2 齢幼虫とカンザワ雌成虫を30頭ずつ (合計60頭) 同時に与えた場合, これら 2 餌種に対するヒメジンガサの捕食数に差はなく, 餌選好性が認められなかった. 一方, ミナミキイロ 2 齢幼虫とカンザワ雌成虫を60頭ずつ (合計120頭) 同時に与えた場合, ヒメジンガサはカンザワよりミナミキイロをより多く捕食した. これらの結果から, ヒメジンガサはカンザワよりミナミキイロに対して選好性を持つと考えられた. また, ヒメジンガサを用いたミナミキイロの防除において, カンザワの存在は影響を与えないと考えられた. 一方, カンザワに対しても高い捕食能力を持っているが, 餌密度によってミナミキイロの存在は, ヒメジンガサを用いたカンザワの防除に影響する場合があると考えられた.We studied the prey preference of Wollastoniella rotunda to two prey species, Thrips palmi (second instar) and Tetranychus kanzawai (adult female), under laboratory conditions. The presence of T. kanzawai did not affect the numbers of T. palmi consumed by W. rotunda. By contrast, the presence of T. palmi affected the numbers of the female of T. kanzawai consumed by W. rotunda. When either of two prey species was offered to W. rotunda, the number of T. kanzawai consumed by W. rotunda was higher than that of T. palmi consumed. When both prey species were offered at high density (60 T. palmi and 60 T. kanzawai), the numbers of T. palmi consumed by the predator were higher than T. kanzawai consumed. However, when both prey species were offered at low density (30 T. palmi and 30 T. kanzawai), numbers of T. palmi consumed by the predator were similar to T. kanzawai consumed. Based on these data, we argued the use of W. rotunda for the pest management of both species.
- 2008-02-01
著者
-
仲島 義貴
帯広畜産大・昆虫
-
高木 正見
九大院農
-
上船 雅義
九州大学大学院農学研究院生物資源開発管理学部門
-
田頭 栄子
九州大学大学院農学研究院
-
高木 正見
九州大学大学院農学研究院
-
田頭 栄子
九州大学大学院農学研究院生物資源開発管理学部門
-
仲島 義貴
九州大学大学院農学研究院生物資源開発管理学部門
-
高木 正見
九州大学大学院農学研究院生物資源開発管理学部門
-
高木 正見
九州大学農学部生物的防除研究施設
-
高木 正見
九大 農
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