植物種がヒメジンガサハナカメムシの発育に及ぼす影響
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概要
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植物種の違いがヒメジンガサハナカメムシの発育に影響を及ぼすかどうかを調べるために,餌(スジコナマダラメイガ卵)と一緒にナス,キュウリ,インゲンマメ,トマトの葉片をそれぞれ与えた場合のヒメジンガサの発育を比較した.また,植物吸汁の効果を調べるために,餌と一緒に水を含ませた脱脂綿を与えた場合と餌のみを与えた場合の対照区を設けた.ヒメジンガサの生存率は植物種間で差が認められ,キュウリを与えた場合がナス,トマトを与えた場合より有意に低くなった.対照的に,ヒメジンガサの発育期間は植物種間で有意な差が認められなかった.水を含ませた脱脂綿を与えた場合と植物葉片を与えた場合の比較では,ヒメジンガサの生存率は有意な差が認められなかったが,発育期間は植物葉片を与えた場合の方が有意に短くなった.餌のみを与えた場合ではヒメジンガサは1日後にすべて死亡し,水分供給源である植物葉片や水がない場合では全く発育できないことがわかった.以上のことから,餌が十分にある場合でもヒメジンガサの発育は植物種の影響を受けることが明らかになった.また,ヒメジンガサの植物吸汁には水分補給と発育期間の短縮に効果があることが明らかになった.
- 2008-05-25
著者
-
高林 純示
京都大学生態学研究センター
-
仲島 義貴
帯広畜産大・昆虫
-
高木 正見
九大院農
-
上船 雅義
九州大学大学院農学研究院生物資源開発管理学部門
-
田頭 栄子
九州大学大学院農学研究院
-
高木 正見
九州大学大学院農学研究院
-
高林 純示
京大生態研
-
田頭 栄子
九州大学大学院農学研究院生物資源開発管理学部門
-
高林 純示
京都大学生態研センター
-
高木 正見
九州大学大学院農学研究院生物資源開発管理学部門
-
高木 正見
九州大学農学部生物的防除研究施設
-
高木 正見
九大 農
-
高林 純示
京大・生態学研究センター
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