福岡地方における蔬菜加害性ナモグリバエChromatomyia horticola (Goureau) の土着寄生蜂相
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概要
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福岡県久山町の蔬菜圃場において,2004年の4月から5月と,2005年の1月から4月,2006年の4月5月に,ナモグリバ工の寄生蜂相を調査した.その結果,ナモグリバ工の幼虫と蛹から20種3科,Eulophidae(16種),Pteromalidae(2種),Braconidae(2種)を記録した.記録された種は優占種順に2004年はDiglyphus isaea,Chrysocharis Pentheus,Chrysocharis pubicornis,2005年はDacnusa nipponica,D. isaea,C. pubicornis,2006年はC. pentheus,D. isaea,D. nipponica,で,年次によって異なっていた.しかし,この優占種順は,2005年に調査した複数の圃場間では,ほぼ一定であった.以上の結果から,ナモグリバ工の寄生蜂相は,一定地域内の圃場間でみると,同一年では安定しているが,年による変動は,地域全体でみてもかなり大きいと考えられた.We investigated hymenopterous parasitoid complex of gardenpea leafminer, Chromatomyia horticola (Goureau) on gardenpeas in vegetable fields in Hisayama, Fukuoka from April to May in 2004, from January to April in 2005, and from April to May in 2006. A total of 20 parasitoid species belonging to 3 families, Eulophidae (16 species), Pteromalidae (2 species), and Braconidae (2 species), were recorded from larvae and pupae of C. horticola. The first, second and third dominant species of the parasitoids were Diglyphus isaea, Chrysocharis pentheus and C. pubicornis in 2004, Dacnusa nipponica, D. isaea and C. pubicornis in 2005, and C. pentheus, D. isaea and D. nipponica in 2006, respectively, suggesting that the rank order changed year by year. However, the order of the dominance was almost constant between different fields in 2005. It is suggested that parasitoid fauna of C. horticola is rather constant among the fields within a year in a given area, but is variable between years in the area.
著者
-
高木 正見
九大院農
-
高木 正見
九州大学大学院農学研究院
-
高木 正見
九州大学大学院農学研究院生物資源開発管理学部門
-
高木 正見
九州大学農学部生物的防除研究施設
-
高木 正見
九大 農
-
福原 史樹
九州大学大学院生物資源環境科学府
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