10代女性のSTI感染とその影響要因

概要

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性的活動年齢にさしかかった10代女性の(1)性感染症(sexually-transmitted infection: STI)感染状況と,性行動,性認識,性情報,生活習慣,家庭環境,性暴力経験を明らかにすることおよび,(2)性行動,性認識,性情報,生活習慣,家庭環境,性暴力経験と,STI感染との関連を明らかにすることを目的とした。対象者は首都圏にあるクリニックの産科あるいは婦人科を受診・入院した日本人10代女性のうち,性交経験のある者とした。質問紙および聞き取り調査と,子宮頸管擦過検体および血清によるSTI検出を行い,80名を分析対象とした。STI既感染者は44名55.0%であり,その中でもクラミジア感染症が最も多かった。STI感染との関連がみられた要因には,「過去の性行為の相手の人数」「過去の性行為の相手の最高年齢」「特定の相手以外との性行為経験」「知らない相手との性行為経験」「喫煙経験」「飲酒頻度」などがあった。行きずりの相手など結果に責任を負う必要のない相手との性行為や,年長者との性行為ではSTI予防のためのコンドームの使用を要求しにくく,要求したとしても拒否される可能性が高いと考えられる。
日本母性衛生学会の論文