市町村の母子保健サービスとしての新生児訪問指導事業の現状と課題

概要

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【目的】母子保健サービスとしての新生児訪問指導事業を見直す目的で,茨城県の新生児訪問指導の実態を明らかにし,今後の母子保健サービスのあり方を検討する。【研究方法】茨城県内の全市町村保健事業所87ヵ所を対象に,2003年4月〜2004年3月までの1年間の訪問指導事業について,郵送法による自記式質問紙調査を行った。新生児訪問指導の実施率と実施時期について分析した。【結果】茨城県では,新生児期(生後28日以内)より乳児期(生後29日〜4ヵ月)における訪問指導実施率が有意に高かった。しかし,訪問指導のための非常勤看護職を雇用している地域では,雇用していない地域と比較して,新生児期における訪問指導実施率が有意に高かった。また,出生連絡票によって訪問対象者を把握している地域と,そうでない地域では,後者で,乳児期における訪問指導実施率が高かった。【結論】母子保健サービスの今後の課題として,(1)訪問対象者を把握するための方法の検討,(2)出生数に対応する看護職員数の見直し(非常勤看護職を含む)の2点が重要であることが明らかとなった。一方,限られた人的資源の中で,できるだけ効果的な家庭訪問指導を遂行することも,今後の課題であることが示唆された。新生児期と乳児期のどちらの時期に訪問指導を行うことが,受け手のニーズにより合致するかなど,最も効果的な訪問の時期を検討することは重要であり,今後の母子保健サービスを存続させるにあたり,この点を含め,サービスの供給方法全般についてのさらなる検討が必要であると考えられた。

市町村の母子保健サービスとしての新生児訪問指導事業の現状と課題

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