病院実習で着用した看護学生の実習衣における細菌学的汚染調査

概要

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看護学生が病院実習中に着用した実習衣を対象として、細菌学的汚染調査を行いMRSAの検出を試みた。検体は実習衣のポケット、胸部、腹部およびズボンの裾から採取した。1)実習前における実習衣の細菌汚染度を検討した結果、業者によって洗濯された実習衣の付着菌数は、学生の自宅で洗濯した実習衣に比して低かった。これは仕上げの段階で行うアイロンの熱処理によって付着菌数が減少したものと推察できた。2)学生が使用した実習衣で細菌汚染度の最も高い部位はポケットであり、以下胸部、ズボンの裾、腹部の順であった。ポケットの細菌汚染は頻回に使用者の手指がポケットに接触させるためと推察された。実習衣の細菌汚染部位としてポケットをはじめ床などに触れやすいズボンの裾などにも注意を払う必要があると考える。3)実習後の実習衣から分離されたStaphylococcus aureus 48コロニーから3コロニー(6.3%)のMRSAが検出された。MRSAの検出部位はポケット1株、ズボンの裾2株であった。実習衣由来株の各種薬剤に対する感受性パターンはDMPPC、 CLDM、 EM、 FOM、 NFLXの5種類に対しては耐性を示し、GMおよびMINOの2薬剤に対しては感受性であった。以上の結果から、MRSAによる汚染防止、汚染拡大を考えるうえでも、医療従事者の白衣に限らず病院実習中の学生の実習衣に関しても考慮する必要があると思われる。
東海大学の論文

病院実習で着用した看護学生の実習衣における細菌学的汚染調査

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