活性酸素消去能を指標とした自然農法産物と化学農法産物の比較

概要

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活性酸素が動脈硬化や癌など、きわめて広範囲の疾患に関与していることが明らかにされてきた。我々の日常生活においても活性酸素生成物質あるいは活性酸素消去物質は多数あるものと推察される。本研究では、最も身近な食品、とくに自然農法産物と化学農法産物における活性酸素産生能および活性酸素消去能を有する物質について比較検討した。微生物を用いた生物学的方法により活性酸素産生能を持つ物質を検索した結果、10種類の自然農法産物および36種類の化学農法産物ともに活性酸素生成物質は検出されなかった。定量試験により自然農法産物と化学農法産物の活性酸素消去能(過酸化水素消去能)を比較した結果、自然農法産物の活性酸素消去能は化学農法産物に比して高値を示した。自然農法産物は化学農法産物に比して活性酸素消去能が高く、健康維持・老化防止などに良い食品であることが示唆された。しかしながら、自然農法産物中に存在する生物活性を示す酵素が生体内に摂取されたあともin vitroの解析結果と同様の反応を示すか否かは定かではない。今後の課題の一つである。
東海大学の論文