北海道東部のクロボク土の強度特性と破壊ひずみ

概要

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クロボク土の強度特性を検討するため,北海道東部に分布する土を三種使用し,一軸圧縮試験と三軸圧縮試験を行なった。試料の物理性を分析すると,有機物含有量が増加するにつれて土粒子の比重,乾燥密度は減少し,間隙率および現場含水比は増加する傾向にあった。そして,最初の試料処理でカク乱と乾燥した試料は強度,ひずみ及び強度定数に大きな変動を与えた。一軸圧縮試験において,供試体の長さ/直径の比は2〜2.5の範囲にある方が好ましく,ひずみ速度は現行の基準より多少速くても良いことが分かった。三軸圧縮試験のUU試験では,側圧の増加にともなって強度定数は変化することが明らかになった。側圧がゼロのとき,セン断抵抗角は最大となる。側圧が5kgf/cm^2に近付くと,不飽和状態であるため,セン断抵抗角はゼロとなり粘着力は最大になる。側圧が増加するにつれ破壊ひずみは15%(現在の基準)を超過し,特にこの傾向は圧密・非排水状態に対して顕著に現われる。それ故,圧縮操作はクロボク土に対してはひずみが20%まで続けられるべきと考える。
帯広畜産大学の論文
1987-06-30