火山灰土の水分特性が力学的性質におよぼす影響

概要

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アロフェンを含んだ火山灰土の乾燥処理による土中水の質的な変化を解明し,このような変化が土の物理性および力学性に与える影響を検討するため,生土,風乾土,炉乾土と称する供試土を作り,実験を行った。その結果を要約すると次のようになる。試料内に保持されている水を拘束水,準拘束水および自由水の質的なる3成分に分類すると,pF水分特性曲線において,自由水量は炉乾土>風乾土>生土の順位で多かった。準拘束水量に差は見られず,拘束水量はこの逆の関係を示した。初期含水比の差は拘束水の多少を意味した。乾燥過程と湿潤過程における差は質的な水,すなわち自由水と拘束水の量的な違いによってある程度説明できる。試料に加えた水はある限界まで拘束水化でき,その水分を再生拘束水と定義すると,再生拘束水は乾燥が進んだ試料ほど多く保持でき,限界初期含水比以下で存在できる。試料の乾燥程度が締固め曲線に影響を与え,自由水と拘束水の差によって説明を試みた。セン断抵抗角は生土では拘束水と自由水の量に大きく関係するが,風乾土は自由水のみに関係する。また粘着力は同様に生土,風乾土において自由水量の増加にともなって低下し,生土は拘束水の増加によって低下する。一軸圧縮強さにも同様な傾向が得られた。以上の結果から試料の乾燥は拘束水を減少させ,加水することにより自由水を増加させ,土の構造単位の比表面や配列に多大な影響を与え,不可逆性を生じさせることがいえる。
1979-05-18

火山灰土の水分特性が力学的性質におよぼす影響

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