土壌侵食防止工法に関する研究 : 第4報 雨水流の水理学的検討
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概要
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畑地に土壌侵食を起こさせる水流は,降雨によって生じ,また水の一部が土中に浸透しながら流下する場合が多い。したがって,普通の開水路の流れとは異なって,いわゆる横から流入または流出のある流れである。現実には,水みちの発生により全面一様な流れが生じないが,理想的な流れを想定して水面形の理論解を求め,実験によりその妥当性を検討した。理論式を示すと次のとおりである。[numerical formula](meter-sec 単位)ここに,θ:地表面傾斜角,x:距離,h:水深,n:粗度係数,Q_0:初期流入量,R_0:降雨量,φ:浸透量である。これに基づいて草地のように降雨が植生によりさえぎられる状態を想定して,R_0=0,Q_0=0.0010m^3/sec/m,θ=1°,3°,5°および7°の4種,n=0.02,0.04,0.06,0.08および0.10の5種,φ=0.0001m^3/sec/m^2(6.0mm/min),0.00008m^3/sec/m^2(4.8mm/min),0.00006m^3/sec/m^2(3.6mm/min)および0.00002m^3/sec/m^2(1.2mm/min)の4種とし,各々の組合せについて各位置の水深および流速を計算し,さらに,τ_0=3ρνυ/h(ここにτ_0:セン断力,ρ:水の密度,ν:動粘性係数,υ:流速,h:水深)を用いて,掃流力に相当する底面に働くセン断応力を求めた。これにより,傾斜,浸透量および粗度係数の影響について検討したところ,粗度係数の影響が一番大きいことが明らかとなった。
- 帯広畜産大学の論文
- 1973-01-18
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