有材心土破砕による重粘・堅密土壌の排水効果

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現在の畑作圃場において,重粘土および堅密な土壌特性のため,降雨により地下水位が上昇しても排水がスムーズになされない圃場が数多くある。このため,圃場地下水位が年間を通じて高く,農作物の生育に多大な影響を及ぼすことが多かった。十勝東部に位置する豊頃町二宮地区でもこのような現状下にあり排水改良が急務となっている。そこで,この二宮地区の一圃場を排水改良試験圃場とし,それぞれ異なった暗渠を施工することにより,重粘土地区に最も適応する暗渠施工の排水効果の検証を行った。暗渠施工法は3パターン設定し,1つは一般的な排水管に砂利を被覆した暗渠を施工した圃場,2つめは上記と同じ暗渠と無材での心土破砕を併用した圃場,さらに3つめとして砂利被覆暗渠と火山灰を用いての有材心土破砕を併用した圃場,以上の中で調査した。この3圃場の地下水位調査を行った結果,暗渠のみの圃場と心土破砕を併用した圃場での排水効果の違いが明確に現れ,重粘土および堅密土壌での心土破砕の重要性が確認できた。また,有材心土破砕と無材心土破砕を比較すると火山灰を用いた有材心土破砕の方が圃場の透水性が大きくなり,排水効果を向上させていることがわかった。
帯広畜産大学の論文
1993-10-25

有材心土破砕による重粘・堅密土壌の排水効果

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