風洞実験による十勝火山灰土壌の受食性に関する研究

概要

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風食の危険から農作物や耕土を守るためには,土壌の受食性を究明しなければならない。そこで,十勝火山灰土壌の受食性を究明するために,風洞を用いて飛土量に与える風速,土壌水分量,土粒子の粒径および土壌の水分ヒステリシスの影響と飛土開始風速について実験を行い,つぎのような結果を得た。飛土量は風速の増加に伴い指数的に増大し,土壌水分量の増加に対しては,逆に指数的に減少することが明らかとなった。とくに,風速10m/sec以上,含水比10%以下のときに著しい飛土現象がみられた。また,粒径別土粒子を比較してみると,細粒子(粒径105μ以下)が最も飛土量が少ない。中粒子(粒径105μ〜840μ)は低土壌水分量での飛土量は非常に多いが,土壌水分量の増加に伴い急激に減少する。大粒子(840μ〜2,000μ)は,土壌水分量が増加しても飛土量には,あまり変化がみられなかった。つぎに,飛土開始風速については,低土壌水分量では,風速4〜5m/secで飛土が開始され,10m/sec以上になると急激な飛土現象がみられるようになった。最後に,土壌の水分ヒステリシスによる飛土量の違いについては,同じ土壌水分量に対して乾燥過程の方が湿潤過程に比べて飛土量が非常に多いことが明らかとなった。
1981-11-15