添加糖の種類が各種サイレージの発酵品質に及ぼす影響

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サイレージの品質改善には,乳酸発酵の基質である糖の重要性が指摘され糖添加法として技術化されている。しかし,糖の種類がサイレージ発酵過程における有機酸組成,とくに乳酸含量に及ぼす影響はあまり明らかにされていない。そこで,添加糖の種類を変えてサイレージを調製し,その有機酸組成,発酵品質について検討した。供試材料草はエンバク,ギニアグラス,青刈イネ(予乾),アルファルファ(2番草)で,これらを細切後,添加糖をよく混合して,1l容のポリ容器に詰めて室内に置床した。これらサイロを7日目と50日目に開封し,品質評価を行った。エンバクサイレージについては,可溶性炭水化物(WSC)含量が高く,乳酸緩衝能が低かったため,対照区も含めて,すべて高品質のサイレージが調製された。従って,このような材料草では,添加糖の影響がほとんど認められなかった。一方,材料草中のWSC含量が低いものについてみたところ,5炭糖を添加したサイレージは酢酸含量が高く,6炭糖並びに2糖類を添加したサイレージは,乳酸含量が比較的高かった。また,デンプンの添加は有機酸組成に影響をほとんど及ぼさなかった。なお,マンニットを添加したサイレージは,酢酸含量が他の糖添加区より低い値を示した。この理由は,へテロ型乳酸菌がマンニットをほとんど資化できないことによるものと推定した。以上の結果,単糖の6炭糖と2糖類が最も効率的に乳酸へ資化され,5炭糖は乳酸への資化性が劣り,デンプンは発酵品質に影響を及ぼさないものと結論された。
1993-12-20

添加糖の種類が各種サイレージの発酵品質に及ぼす影響

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