ハトムギの飼料作物化に関する研究 : I.青刈ハトムギの粗飼料生産並びに化学組成
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概要
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本研究は雑穀の一種であるハトムギ(Coix Lacryma-jobi L. var. frumentacea Makino.)を青刈飼料作物として栽培し,その収量性,一般成分並びに無機成分について検討した。栽培法は品種,岡山在来を供試し,1981年5月20日,乾田にa当り0.8kgを条播した。潅漑は5葉期(6月20日)から間断潅漑法により実施した。施肥量は播種時に3要素をa当り各2.Okg,1番草刈取後に各1.5kgを化成肥料で施用した。刈取りは1番草を出穂期(7月21日),2番草を乳熟期(9月22日)にそれぞれ行った。試験結果を要約すると以下のとおりである。(1)青刈ハトムギの生育は湛水条件下において極めて旺盛であった。その合計収量は生草でa当り1,029kg,乾物で192kgに達した。(2)1番草における個体群生長速度(CGR)は17〜37DMg・m^<-2>・日^<-1>の範囲を示した。CGRと平均葉面積示数との関係から,その最適葉面積示数は6.8前後と推定された。(3)青刈ハトムギの飼料成分については,1番草(出穂期)においては粗蛋白質11.1%,粗脂肪3.7%,NFE 40.2%,粗繊維32.0%及び粗灰分13.0%であり,2番草(乳熟期では)それぞれ8.3%,2.5%,43.4%,33.8%及び12.0%であった。ハトムギの無機成分の含量は,1番草においてCa O.28%,P O.16%,Mg O.17%及びK 3.02%を含有し,2番草ではそれぞれ0.38%,0.13%,0.14%及び2.28%であった。生育期間中の無機含量はCaが0.24〜0.38%,P O.11〜0.25%,Mg O.13〜0.29%及びK 1.68〜4.33%の範囲内であった。(4)以上の結果,青刈ハトムギは湛水条件下において高い乾物生産力を発揮したが,飼草中のCa,P及びMgの含量は泌乳牛が必要とする無機要素の要求水準を下廻った。
- 1983-04-28
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