ハトムギの飼料作物化に関する研究 : II.青刈ハトムギのサイレージ品質並びに生草及びサイレージの飼料価値
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概要
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青刈ハトムギのサイレージ品質並びに生草及びサイレージの飼料価値を明らかにするために本試験を実施した。試験材料は前報の青刈ハトムギを用い,1,2番草の出穂期及び乳熟期に刈取ってサイレージを調製した。なお消化試験はめん羊を用いて実施した。えられた結果を要約すると以下のとおりである。(1)サイレージ品質は,1,2番草にかかわりなく,出穂期の評点は良,乳熟期のそれは優であった。(2)生草とサイレージの粗脂肪を除く各成分消化率はステージが進むにつれて低下した。サイレージの粗蛋白質消化率は1番草が2番草より高かった。(3)可消化養分についてみると,出穂期の1番草と2番草のDCP及びTDN含量は,それぞれ7.0と7.2%及び62.9と60.0%であり,開花期のそれは6.4と5.8%及び55.6と55.0%であった。一方,サイレージでは,出穂期の1番草と2番草のDCP及びTDN含量は8.0と6.8%及び59.6と58.1%,乳熟期のそれは6.4と5.4%及び53.4と53.7%であった。したがって,生草及びサイレージの可消化養分含量は生育ステージが進むにつれて低下した。(4)生草のNDF,ADF,AD-リグニン及び珪酸の各含量はそれぞれ65.3〜71.4%,40.3〜49.3%,6.1〜10.1%及び4.9〜10.2%の範囲を示し,いずれも生育ステージが進むにつれて高まった。一方,NDF及びADFの消化率は生育ステージの進展に伴って急速に低下した。
- 日本草地学会の論文
- 1983-04-28
著者
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