中国江蘇省里下河地区における過湿地でのイケスギ(Taxodium ascendens Brongn.)人工林の成長および養分特性

概要

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過湿地において健全なイケスギ人工林を育成するための基礎的研究として,中国江蘇省里下河地区における地下水位の異なる3地点(高水位,中水位,低水位)の17年生人工林を用いて,地下水位の違いがイケスギの成長および養分特性に及ぼす影響について調査した。高水位では1年のうち約6カ月,中水位では約1カ月湛水し,低水位では湛水しなかった。年平均地下水位はそれぞれ-2±12,-15±13および-37±12cmであった。高,中,低水位でのイケスギの幹材積はそれぞれ45±8,142±16および187±24m^2ha^<-1>,地上部の乾物量は33,73,114Mg ha^<-1>であり,地上部乾重と地下部乾重の比(T/R)は水位が高くなるにつれて,2.7から1.5に減少した。年平均地下水位が-10cm以上あるいは年間1カ月半以上の湛水になると,イケスギの成長は急激に低下した。中・低水位と比べて,高水位の土壌pHは0.5から1.1高く,全Cと全N濃度は30%低かった。土壌の全Fe,交換性K,Ca,Mg,Na濃度は高水位で最も低く,低水位で最も高かった。湛水する場所では,土壌中のNO_3-N濃度は検出されなかった。Mnを除いて,地下水位別にイケスギの葉の各養分濃度は大きな違いがなかったが,根のNおよびCa濃度は低水位で高く,Fe,Mn,Na濃度は低かった。
2003-05-16