フィリピン河岸域に生育するマングローブ構成種の分布域と塩分濃度
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概要
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マングローブは熱帯・亜熱帯地域の海岸線や河口域に分布し,その分布構造は滞水時間や塩分濃度,土壌の基質等の環境因子によって決定される。塩分濃度は分布を決定する重要な因子の一つで,感潮河川では塩分濃度の影響によるマングローブ植生の変化を観察することができる。フィリピンにある河川延長が50km以下の3河川,リナオ川,カブヨ川,カビビハン川において,河川水の塩分濃度の変化とその河川に連続的に出現するマングローブ構成種の変化との関係を調査し,河岸に生育するマングローブ構成種の塩分濃度耐性について考察した。各河川の塩分濃度は上流に溯るに従って低下し,それに伴いマングローブ構成種の構成にも変化が見られた。出現したマングローブ構成種28種のうち,0mgL^<-1>から29mgL^<-1>まで分布域を持っている構成種はNypa fruticansのみであった。その他の構成種は高低どちらかに偏った分布を示していた。また主要なマングローブ構成種>副次的な構成種>付随的な構成種の順で出現範囲が狭まり,かつ低塩分濃度方向に適応していた。しかし,各構成種の塩分濃度に対する適応性には幅があり,また出現割合と塩分濃度には関係がなかったことから,塩分濃度条件のみではマングローブ帯状構造のような狭い範囲で構成種が変化をしていくような林分の成立原因を説明できないことが示された。
- 森林立地学会の論文
- 2003-12-25
著者
-
峰松 浩彦
東京農工大学大学院共生科学技術研究院
-
峰松 浩彦
東京農工大学農学部
-
豊田 貴樹
東京農工大学連合大学院農学研究科:(現)(社)海外林業コンサルタンツ協会
-
Balagas Pedro
Department of environment & natural resources, Quezon ecosystems research & development center
-
Balagas Pedro
Department Of Environment & Natural Resources Quezon Ecosystems Research & Development Cente
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