苦土炭カル施用が森林土壌の化学的性質および微生物相に及ぼす影響

概要

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苦土炭カル(炭カル)施用が森林土壌の化学的性質および微生物相に及ぼす影響を明らかにするため, 斜面下部から上部にかけてのスギ林, ヒノキ林, カラマツ林, アカマツ・広葉樹混交(針広混交)林で調査を行った。炭カルの散布量はCa換算で400,800,1,600 kg ha^<-1>(それぞれMg換算で225,450,900 kg ha^<-1>)である。各林地の0〜5 cmの土壌pHは4.5〜5.1であった。スギ林, ヒノキ林およびカラマツ林では, Caで800 kg ha^<-1>以上の施用により土壌pHが5.5以上になったが, 針広混交林ではCaの1,600 kg ha^<-1>施用のpH 5.4が最高値であった。針広混交林では, 厚いA_0層によって施用した炭カルの大部分が遮断された。炭カル施用によって土壌中の従属栄養微生物数, 硝化細菌数, 微生物バイオマスN量が概ね増加したが, 無機態N量の増加とは必ずしも一致しなかった。このことから, pH上昇によるN無機化および硝化の促進に対して, 植生による無機態Nの吸収が影響していると推察された。
日本森林学会の論文
2001-11-16