渓流水位の連続観測と流出量の推定について : FM多摩丘陵西の沢を対象として
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概要
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東京都郊外にあるフィールドミュージアム(FM)多摩丘陵内の窒素飽和森林流域では,1976年より流出河川の水位が継続的に観測されている。本研究では,2002年6月から2003年1月のデータを用いて水位計の測定精度の検討を行った。さらに同期間,三角堰内に水圧式水位計を併設し,測定精度に関して検討した。また,回収されたデータを使用して水位-流量(H-Q)式を作成し,沢からの流出量を算出した。検討の結果,既存の水位計は測定誤差が大きく水位が過大評価される傾向があった。一方,新たに設置した水圧式水位計は越流水位の手測定値との相関関係が高く(r=0.91),併用により高精度の検討を行うことが可能であった。水位観測を実施した西の沢流域において,沢からの流出率は期間中15%であった。降水量に対し沢水流出量の月平均値は変動幅が小さかったことから,年毎の流出率の変化は主に降水量の違いに起因することが示唆された。本報で提示した数式を用いて,八王子のアメダス観測月降水量からFM多摩丘陵の月平均降水量,沢水流出量を簡易的に算出することが可能であった。フィールドにおける観測結果のチェックや,欠測が出た際の推定方法として有効と考える。
- 東京農工大学の論文
- 2006-03-31
著者
-
飯泉 佳子
国際農林水産業研究センター
-
小倉 紀雄
東京農工大学農学研究科
-
小柳 信宏
東京農工大学農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター
-
対馬 孝治
東京農工大学農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター
-
飯泉 佳子
東京農工大学農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター
-
対馬 孝治
東京農工大学地下水水質解析グループ
-
小倉 紀雄
東京農工大学農学部
-
小倉 紀雄
東京農工大学地下水水質解析グループ
-
小柳 信宏
東京農工大学農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター:(現)財団法人 新潟県環境衛生研究所
-
飯泉 佳子
国際農研セ・熱研
-
飯泉 佳子
東京農工大学農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センター:(現)独立行政法人 土木研究所
-
飯泉 佳子
Jircas沖縄
-
飯泉 佳子
(独)国際農林水産業研究センター 熱帯・島嶼研究拠点 島嶼管理分野
-
飯泉 佳子
産総研
-
小倉 紀雄
東京農工大学
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