豆類の吸水特性
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概要
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豆類の吸水時における挙動について追求し,以下の結果を得た.1.ダイズを水に浸けると,その直後より急速に吸水するが,アズキは緩慢な誘導期を経た後に吸水が速くなる.インゲン(トラマメ,大正金時)はこれらの中間型である.2.ダイズ種皮の吸水は,へそと反対側から始まり,次第にへそ側へと向かう方向性がある.また,へそ,ミクロパイルを封印しても吸水には影響しないが,種皮の半分を封印すると吸水率が著しく減少することなどから,種皮全面から吸水すると推定した.3.アズキの種瘤を封印すると,長時間水に浸漬しても吸水しないが,ミクロパイルは封印しても影響は少ない.へそ封印の影響は両者の中間型である.また,アズキの吸水は,吸水初期には種瘤から行われるが,それ以後は種瘤からの吸水が引き金となって,種瘤以外の種皮部位からの吸水が可能となる.4.トラマメ,大正金時では,ミクロパイルが吸水に大きな役割を果たしている.種瘤,へその関与度は少ない.5.吸水特性に著しい違いのあるダイズとアズキの吸水機構について,組織学的観点より考察した.
- 武庫川女子大学の論文
著者
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森 孝夫
武庫川女子大学生活環境学部・食物栄養学科
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豊沢 功
武庫川女子大学生活環境部食物栄養学科
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上中 登紀子
武庫川女子大学
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Toyosawa Isao
Department Of Food Science And Nutrition Mukogawa Women's University
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豊沢 功
武庫川女子大学家政学部食物学科
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