絨毛癌実験化学療法と臨床応用
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概要
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絨毛癌は,化学療法に奏効する代表的疾患であり,Methotrexate(MTX), Actinomycin-D(ACD),Cyclophosphamide(CPM)の3剤同時併用療法(MAC)により,その予後は改善されてきたが,なお寛解率は60-70%にとどまっており,MACに抵抗性を示す症例の治療法の確立がいそがれるところである。そこで我々は,ヌードマウス継代難治性人絨毛癌を用い治療実験を行い,その結果を臨床応用し,難治性絨毛癌の治療法の確立をめざした。ヌードマウスは,BALB/cA,6〜7週齢,雌を用い,Barrier system内にて飼育。実験腫瘍として当科で確立したCC-HM-1(HM),実験動物中央研究所より恵与を受けたCC-1-JCK(JCK)の2種類を用いた。制癌剤投与は,MTX, ACD, CPM, Vincristine(VCR)の4剤を各々1/3LD_<50>量を用い,単独,2剤併用,3剤併用各種組み合わせにて腹腔内へ投与,腫瘍重量変化より効果を判定した。JCKに対しては,ACD+CPM (AC)及びACD+CPM+VCR(VAC),HMに対してはMTX+ACD+VCR(MOA)の腫瘍抑制効果が強く,腫瘍の消失をみたものもあった。このAC, VAC, MOAをそれぞれ臨床応用したところ,AC, VACについては,難治性絨毛癌4例中2例に寛解がえられた。MOA療法は難治性絨毛癌2例,未治療の絨毛癌3例計5例に用い,全例に寛解がみられている。MOA療法については,現在存在するMACに抵抗性を示す難治性絨毛癌症例に対する治療法として有用であることが判明した。
- 千葉大学の論文
- 1987-08-01
著者
-
高見澤 裕吉
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
時田 尚志
千葉県がんセンター
-
時田 尚志
千葉県がんセンター動物管理室
-
時田 尚志
千葉がんセンター
-
時田 尚志
八街総合病院
-
石毛 英男
千葉大学医学部第一外科学教室
-
石毛 英男
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
石毛 英男
上都賀総合
-
高見澤 裕吉
千葉大学医学部産婦人科
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