資本の部の表示形式の変化に関する考察
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概要
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本稿では、貸借対照表上の資本の部の表示形式の変化について考察をしている。とりわけ、平成13 年改正商法の前後、そして平成18年5月の会社法施行にいたるまでを中心としている。それはこの期間の資本の部が、従来と比べてドラスティックに変質し、変容したからである。本来、資本の部の表示形式は、資本がもつ特質と軌を一にし、その具体化された"姿=カタチ"としてあらわされるが、この期間における商法から会社法への一連の改正のなかで、資本制度が揺らぎ、資本の特質とそれをあらわす区分表示とが一致しなくなってきたようである。こうした資本の部の表示が不自然な状況において、そこでの資本の部が示す意義は何に求められるのであろうか。本来の資本の意義が希薄化し、資本の部が、資本と利益を峻別するものでもなく、会社財産額を確保し資本維持を通じて債権者保護をなすこともない状況では、多分それは、単なる表示による情報提供に留まるもののように思われる。
- 摂南大学の論文
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