日本のリース会計 : 税務処理を中心として
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概要
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本稿では、1993 年6月(平成5年)に公表された「リース取引に係る会計基準に関する意見書」等の適用状況を法人税法による会計(税務会計)の側面から検討し、リース会計基準の「例外処理」選択が、税務上の処理基準に依存し、現行の会計制度のもとでは「例外処理」選択の廃止は困難であることを明らかにしている。本稿で述べた"「例外処理」選択の廃止は困難である"との結論は、「例外処理」が必然的に選択される状況が確定決算主義による損金経理の展開を通して制度として作り出されていることを根拠としたものである。つまり、多くの企業が「例外処理」選択をするのは、そこに制度としての必然性があり、確定決算主義からの離脱という議論なしに「例外処理」選択の規定の廃止は考えることはできない。このことは1リース会計基準の問題ではなく会計制度全体の枠組みの問題でもあるといえる。したがって、わが国のリース会計基準は、しばらくは現行の制度のもとで、その充実を図る努力が要求されるように思われる。
- 摂南大学の論文
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