豚の小腸運動に対する自律神経毒の影響

概要

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1)アドレナリンの5万〜10万倍の濃度において, 十二指腸の緊張は下降-上昇-下降の三相性の変化を示す.2)アドレナリンにより, 十二指腸(40万倍), 廻腸(20億〜40億倍)は一相性の緊張上昇を現わす.3)アドレナリンの著しい低濃度(十二指腸の200億〜1,000億倍, 空腸の300億〜4,000億倍及び廻腸の500億〜4,000億倍)において, 緊張は変化しないが, 振巾の増大が認められる.4)上記以外のアドレナリン濃度(反応閾値以上)では腸管の緊張は抑制され, 振巾が減少するか, 若しくは, 無反応である.5)アセチールコリン及びピロカルピンにより, 緊張は一相性に上昇する.此の際, 振巾は減少するか, 又は変化しない.6)アトロピンにより, 十二指腸及び空腸は高濃度で抑制, 中濃度で振巾の増大を伴う抑制, 低濃度で促進の3段階的変化を現わす.7)使用した4種の自律神経毒に対する豚腸管の反応閾値の最高濃度はピロカルピンの1,000万〜5,000万倍(十二指腸及び空腸), アトロピンの1,000万〜5,000万倍(廻腸)であり, 最低濃度はアドレナリンの4,000億〜8,000億(空腸及び廻腸)である.その他はこれ等の中間にある.
1952-11-30