甲状腺機能より見たる鶏の体温生理に関する研究(第1報) : 環境温度と鶏の甲状腺機能
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概要
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鶏の甲状腺機能に対する環境温度の影響を研究するために, つぎの二通りの方法を用いて実験を行なつた.すなわち, その第一はin vivo counting methodにより, 連続的に鶏の甲状腺hormoneのreleaseの変化を追跡する方法である.まず外気温において甲状腺hormoneのrelease rateを確かめた後, 93±2°Fに調節した加温室内に鶏を入れ, 高温環境におけるrelease rateを測定し, さらに外気温に出した後の変化も研究した.この実験により, 高温環境においては甲状腺hormoneの放出は明らかに抑制され, しかもその抑制はおよそ4時間以内に行なわれることが認められた.つぎに高温環境より常温に移すと, 甲状腺機能は環境温度に反応して, この場合もおよそ4時間以内に甲状腺hormoneの放出が盛んになることが明らかにされた.第二は生後6ヵ月の白色Leghorn種雄鶏に対し, tracer doseのI^<131>を翼下静脈に注射し, その甲状腺I^<131>のuptake%によつて, 加温処理後の甲状腺機能の変化を研究する方法である.この実験の結果, 59+2°Fにおかれた対照鶏のI^<131>の摂取率は平均16.9%であつたが, 95°Fに6時間加温処理された鶏では, 平均12.0%であつて, 加温処理によつて甲状腺機能が抑制され, 鶏の甲状腺機能が95°Fの加温処理6時間で環境温度に反応することを見出した.
- 1960-10-25
著者
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