甲状腺機能より見たる鶏の体温生理に関する研究(第3報) : 下垂体前葉中のTSH含量の季節的変動及びこれに対する加温処理の影響
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概要
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下垂体前葉中のTSH含量の測定方法について検討した上で, 季節別に鶏, 牛及び豚の下垂体を採取し, TSH含量の季節的変動について研究すると共に, 鶏を5,24及び240時間93±2°Fに加温処理した後, その下垂体前葉中のTSH含量を測定した結果, つぎのような成績を得た.1.TSHの量反応曲線は, TSHのlogdoseと雛甲状腺によるP^<32>の摂取量との間に直線的関係を示した.2.鶏, 牛及び豚の下垂体前葉中のTSH含量は, 夏に最低で, 春, 秋, 冬の順に漸次高くなる.3.5,24及び240時間93±2°Fに加温された鶏の下垂体前葉中のTSH含量は, 対照の加温処理前のものに比較し減少する傾向を示した.さらに, 甲状腺I^<131>のrelease rateに対する下垂体前葉粉末注射の影響を知るため, 生後6ヵ月の白色Leghorn種雄鶏2羽に, tracer doseのI^<131>を注射し, in vivo counting methodにより, 連続的に甲状腺hormoneのreleaseの変化を追跡した.66〜72°Fの環境温度において, その1羽には牛の下垂体前葉のaceton乾燥粉末(その10mg中0.038J.S.U.のTSHを含む).を第1日に20mg.第2日に100mg注射し, 他の1羽には第1日に10mg, 第2日に50mgを注射した.その結果, 2例共に甲状腺I^<131>のrelease rateは著しく促進され, 甲状腺hormoneの放出が増加することを示した.以上の結果から, 環境温度の影響は下垂体を介して甲状腺に及ぶものであろうと考えられる.
- 1960-10-25
著者
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