ニワトリの盲腸内消化に関する研究 : II.腸管内容の揮発性脂肪酸(VFA)について

概要

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ニワトリの腸管内に含まれる揮発性脂肪酸について, ガスクロマトグラフィーを使用して分析し, つぎの結果をえた.1.給与した押麦には, 酢酸のみが認められた.2.小腸, 盲腸および結腸の内容物に含まれる揮発性脂肪酸は, 主として酢酸, プロピオン酸, 正酪酸である.この他に, イソ酪酸, イソ吉草酸, 正吉草酸も認められた.このうち, 最も多い分画は酢酸である.プロピオン酸, 正酪酸がこれにつぐ.3.腸管内の揮発性脂肪酸は, 盲腸に最も多く存在し, ついで結腸, 小腸の順となる.4.盲腸内の固形物量, 揮発性脂肪酸量ならびにpHは, 左右両側の間に有意差が認められない.5.盲腸の基部を両側ともに結紮し, さらに一側の盲腸に分布する血管を結紮して, 両側の内容を比較した.その結果, 血管結紮側の揮発性脂肪酸量は増加した.また, 血管結紮側は非結紮側に比べ, 酢酸は減少するが, 他の分画は増加した.以上の成績は, (1)腸管内で揮発性肪酸が生成され, とくに盲腸において著しい, (2)生成された揮発性脂肪酸は, 盲腸から吸収される, ことを示している.
鹿児島大学の論文
1971-09-25