特発性右室流出路起源心室頻拍・期外収縮の右室流出路壁異常と微小電位の検討

概要

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特発性右室流出路起源心室頻拍と期外収縮は,以前から失神や突然死が散発的に報告され,過去の磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging: MRI)の報告では,局所の壁異常が報告されている.我々は,右室流出路の壁異常と微小電位の関係及び局所の壁異常部位とアブレーション成功部位の関係を検討した.特発性右室流出路起源心室頻拍11例(VT群),同起源期外収縮11例(PVC群)にMRIを施行し,右室流出路に菲薄,肥大,無収縮,膨隆,奇異性膨隆の壁異常(+)群と壁異常(-)群とに分類して,加算平均心電図指標を比較検討した.またこれら壁異常部位とアブレーション成功部位との関係を検討した.壁異常の頻度はVT群で11例中8例,PVC群で11例中3例,コントロール群で11例中0例であり(p<0.05),壁異常(+)群は有意に壁異常(-)群よりRoot-Mean-Square of the voltages in the last 40 msec (RMS40)は小さかった(18.8±8.0 vs 29.0±9.0μV, p<0.05).また7例中6例が右室流出路壁異常部位とアブレーション成功部位が一致した.特発性右室流出路起源心室頻拍は,期外収縮と比べ右室流出路壁異常を高率に認める可能性を示唆し,微小電位との関係を明らかにした.また右室流出路壁異常部位は,不整脈の起源同定の指標になる可能性が示唆された.
近畿大学の論文
2005-12-25