渦鞭毛藻シスト : 栄養細胞対応関係確立への新方法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Dinoflagellates are one of major microplankton groups in marine coastal environments. Most dinoflagellates have several different stages in their life cycle consisting of motile and resting periods. Since chemical composition of the cyst is sporopollenin-like and resistant to physical, chemical, and biological decay, these cysts are preserved as fossils and are used as biostratigraphic index markers. Under these circumstances, motile cells of dinoflagellates have been mainly studied by biologists, and resting cysts by paleontologists. Therefore, many species which can produce resting cysts have two different names for different stages. Some of their relationships, however, are still unclear. In this study molecular analytical method for dinoflagellate cysts is applied for elucidating the relationships between cysts and motile cells, and to identify uncertain cysts. Through this study, the following two subjects are conducted; (1) The efficiency of molecular analytical method using a single cyst was examined. Pyrophacus steinii of which motile cells and cysts relationships has been clarified by the cyst (= Tuberculodinium vancampoae) incubation experiment was provided. The small subunit rDNA gene sequences of P. steinii cyst was detected and compared with that of the motile cell provided from the gene database. In the result, the base sequences of this cyst corresponded to that of the motile cell except for one undeterminable base. (2) Aspherical Alexandrium-like cyst without any prominent morphological features was identified by this method. The base sequence of this cyst corresponded to these of Alexandrium hiranoi motile cells provided from the gene database expecting undeterminable 14 bases. These results suggest that molecular analytical method is applicable for identification on modern uncertain dinoflagellates cysts. It could be particularly useful for discrimination of morphologically similar cysts such as toxic Alexandrium species.
- 日本古生物学会の論文
- 2006-09-28
著者
-
岩滝 光儀
長崎大学環東シナ海海洋環境資源研究センター
-
松岡 數充
長崎大学環東シナ海海洋環境資源研究センター
-
川見 寿枝
長崎大学大学院生産科学研究科
-
松岡 數充
長崎大学教養部地学教室
-
松岡 數充
長崎大・水産・沿岸環境
-
松岡 数充
長崎大学
-
野上 規子
長崎大学生産料学研究科
-
川見 寿枝
長崎大学生産料学研究科
関連論文
- 五島列島,鬼岳火山群基底の海成更新統
- 大村湾産有害渦鞭毛藻Heterocapsa circularisquamaの二枚貝への影響と増殖特性(平成17年度日本水産学会論文賞受賞)
- 大村湾産有害渦鞭毛藻Heterocapsa circularisquamaの二枚貝への影響と増殖特性
- 諫早湾に出現する有害赤潮鞭毛藻4種の増殖に及ぼす水温,塩分の影響
- 韓国済州島の風成塵堆積と過去3万年間の古環境変動
- 日本沿岸海域における無殻渦鞭毛藻 Gymnodinium microreticulatum の初報告
- 有明海・諫早湾における貧酸素水塊の出現状況(2003-2004年) (総特集 現在と過去の無(貧)酸素環境(上)比較研究の必要性)
- 渦鞭毛藻シスト群集変化からみた閉鎖系海域の富栄養化--西九州・大村湾での1980〜1981年と1998年の比較 (総特集 生態系の改変と地質学・古生物学)
- 西日本沿岸海域に出現する有毒渦鞭毛藻Gymnodinium catenatumの来歴 (総特集 生態系の改変と地質学・古生物学)
- 野外観察結果に基づく Alexandrium catenella (Whedon et Kofoid) Balech の栄養細胞, 運動性接合子と休眠性接合子の生産量
- 91. 九州北西部の橘湾における音波探査とピストンコアリングによる海底活断層活動履歴の復元
- 有明海・諫早湾堆積物表層部に残された渦鞭毛藻シスト群集からみた水質環境の中長期的変化 (シンポジウム:沿岸海洋学からみた有明海問題)
- 諫早湾における赤潮原因プランクトンの最近の変化 (総特集 有明海の環境と生物生産)
- P-31 長崎県大村湾の海底堆積物コアの磁気的性質
- 有害渦鞭毛藻 Cochlodinium polykrikoides と類似種の分類と分布
- 有明海の浮泥がタイラギに及ぼす影響
- 長崎県形上湾の植物プランクトン種組成と赤潮形成種の増殖環境(2004-2006)
- 有害渦鞭毛藻類の分布域と導入
- 長崎県薄香湾における有害赤潮ラフィド藻 Chattonella 3種の出現状況と増殖特性
- 渦鞭毛藻シスト : 栄養細胞対応関係確立への新方法
- 長崎県薄香湾における有害渦鞭毛藻 Cochlodinium polykrikoides の出現密度の季節変化と増殖特性
- 有明海に出現した植物プランクトンの種組成と季節変化(2003-2004)
- 海底堆積物を用いた有明海100年変遷史の環境評価
- 現在と過去の無(貧)酸素環境の比較研究の必要性--序論 (総特集 現在と過去の無(貧)酸素環境(上)比較研究の必要性)
- 2003年秋季の有明海に出現した植物プランクトンの種組成
- 有害無殻渦鞭毛藻Cochlodinium polykrikoides Margalef研究の現状
- 韓国・済州島の旧湖成堆積物から得た最後期更新世の淡水性マイクロプランクトンとその堆積環境
- 有害微細藻類の分布拡大とその原因
- 長崎県大村湾の表層堆積物に認められた珪藻被殼の鉛直混合
- 日本近海における麻痺性貝毒原因渦鞭毛藻の地理的分布 (総特集 有毒微細藻類)
- 麻痺性貝毒原因渦鞭毛藻の種同定 (総特集 有毒微細藻類)
- 生態系の改変と地質学・古生物学--「Application of Micro-and Meioorganisms to Environmental Problems:EM3」とは (総特集 生態系の改変と地質学・古生物学)
- 沿岸域における珪藻遺骸群集と化石群 : 大村湾におけるセディメント・トラップ実験結果
- 西九州五島列島福江島沿岸海域表層堆積物中の有毒・有毒渦鞭毛藻シスト
- 海陸リンケージ域におけるパリノロジーの役割 (総特集 21世紀の古生物学の展望--復元の科学) -- (2章 海洋古環境変動--復元の科学(2))
- 赤潮鞭毛藻類の休眠細胞--渦鞭毛藻類を中心にして (総特集 海洋植物プランクトン(2)その分類・生理・生態) -- (1章 海洋植物プランクトンとは)
- 現生および化石渦鞭毛藻国際会議 (Dino-6) : ノルウェー・トロンハイム
- 表層堆積物に残された渦鞭毛藻シスト群集の変化と閉鎖系沿岸海域での富栄養化 : 長崎湾の場合
- 四国の第三系久万層群の堆積年代とその意義
- インドネシア・ジャカルタ湾、ウジュンパンダン沖及びフローレス島ラランツカの表層堆積物中の過鞭毛藻シスト:Pyrodinium bahamenseに注目して
- 最終氷期以降の堆積物に記録された環境変動と人間活動の歴史
- 浅海域における古環境変遷史復元への微化石の役割 (総特集 国際浅海掘削--現状と今後の展望)
- 渦鞭毛藻シスト群集組成から見た大村湾における富栄養化の過程
- A-35 有害渦鞭毛藻Heterocapsa circularisquamaの分子識別に関する研究(水圏生態系,A会場,口頭発表)
- 1章 地質学的にみた雲仙火山と1990-1993年普賢岳噴火(1部 火山災害への自然科学のアプローチ)
- 64 新第三系室生層群・三笠層群およびその相当層の植物化石群集
- ピストンコアラーによる堆積物の連続試料採取方法
- 299. 渦鞭藻化石(ダイノシスト)群集からみた別府湾の過去7600年間の古環境
- 有明海・諫早湾堆積物表層部に残された渦鞭毛藻シスト群集からみた水質環境の中長期的変化(シンポジウム:沿岸海洋学からみた有明海問題)
- 堆積環境指標としての有機質微化石(パリノモルフ)
- 雲仙地溝北縁・千々石断層の過去約6000年間の変位 : 長崎県唐比低地のボーリング調査結果に基づいて
- 218 雲仙地溝北縁千々石断層の過去約6000年間の変位
- 日本学術会議九州・沖縄地区会議主催 第四紀学地域交流会の報告
- 五島列島福江島の鬼岳火山群基底で発見された約40万年前の寒冷期の海成層
- 長崎県対馬・壱岐の地質条件が文化発展に与えた影響に関する比較文明学的研究--資源人類学の構築に向けて (第5回「地球環境財団研究奨励金」研究成果報告書(3))
- 西九州沿岸における有害無殻渦鞭毛藻 Cochlodinium sp. type-Kasasa の分布と増殖特性
- 渦鞭毛藻類シスト群集は富栄養化指標として有効か?
- わが国沿岸で採集された無殻渦鞭毛藻 Gyrodinium aureolum HULBURT の分類学的検討
- アクリタ-ク--第一次生産者のミッシングリンク (総特集 生命と地球の共進化(2))
- 東シナ海北部における対馬暖流--これまでの研究成果から (総特集 湖沼・内湾・レス堆積物)
- 韓国・済州島で採取したボ-リング試料の地質年代と層相
- 最終氷期最盛期頃の照葉樹林--東シナ海東部・男女海盆から得た柱状試料中の約24,000年前の花粉群集
- 海産パリノモルフ化石とその研究の現状
- 対馬・浅茅湾および三根湾表層堆積物中の渦鞭毛藻シスト群集
- バラスト水による有害海洋プランクトンの移動と生物海洋汚染の広域化 : オーストラリア・タスマニアの例
- 韓国・濟州島で採取したボーリング試料の地質年代と層相
- 対馬・浅茅湾および三根湾表層堆積物中の渦鞭毛藻シスト群集
- 有害渦鞭毛藻類の分布域と導入
- 西九州沿岸に分布する有害渦鞭毛藻 Cochlodinium polykrikoides Margalef の増殖に及ぼす水温, 塩分および光強度の影響
- 有害無殻渦鞭毛藻 Cochlodinium polykrikoides Margalef 研究の現状
- 有害赤潮藻ヘテロカプサの分布域北上現象 : 佐渡島加茂湖での赤潮によるマガキの大量死
- 海産パリノモルフ化石群集からみた対馬・三根湾における完新世の沿岸海洋環境の変遷