低線量放射線と細胞内シグナリング(誌上シンポジウム)
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概要
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Accumulated evidence has shown that exposure to low-dose radiation, especially doses less than 0.1 Gy, induces observable effects on mammalian cells. However, the underlying molecular mechanisms have not yet been clarified. Recently, it has been shown that low-dose radiation stimulates growth factor receptor, which results in a sequential activation of the mitogen-activated protein kinase pathway. In addition to the activation of the membrane-bound pathways, it is becoming evident that nuclear pathways are also activated by low-dose radiation. Ionizing radiation has detrimental effects on chromatin structure, since radiation-induced DNA double-strand breaks result in discontinuity of nucleosomes. Recently, it has been shown that ATM protein, the product of the ATM gene mutated in ataxia-telangiectasia, recognizes alteration in the chromatin structure, and it is activated through intermolecular autophosphorylation at serine 1981. Using antibodies against phosphorylated ATM, we found that the activated and phosphorylated ATM protein is detected as discrete foci in the nucleus between doses of 10 mGy and 1 Gy. Interestingly, the size of the foci induced by low-dose radiation was equivalent to the foci induced by high-dose radiation. These results indicate that the initial signal is amplified through foci growth, and cells evolve a system by which they can respond to a small number of DNA double-strand breaks. From these results, it can be concluded that low-dose radiation is sensed both in the membrane and in the nucleus, and activation of multiple signal transduction pathways could be involved in manifestations of low-dose effects.
- 社団法人日本薬学会の論文
- 2006-10-01
著者
-
児玉 靖司
大阪府立大・先端研
-
鈴木 啓司
原研細胞・医歯薬学総合・長崎大・大学院
-
鈴木 啓司
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線生物学
-
児玉 靖司
大阪府立大学産学官連携機構先端科学イノベーションセンター放射線生命科学研究室
-
渡邉 正己
京都大学原子炉実験所粒子線生物学研究室
-
渡邉 正己
粒子線生物・原子炉・京都大
-
渡邉 正己
長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科放射線生物学研究室
-
渡邉 正己
京都大学原子炉実験所
-
渡邊 正己
長崎大学 院 医歯薬学総合 放射線生物
-
鈴木 啓司
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線生命科学
-
渡邉 正己
長崎大学 薬学部
-
渡辺 正己
長崎大 薬
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