一般演題 27 ヒストンH2AXのリン酸化を指標とした放射線被ばく検出系の確立
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概要
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放射線によりDNA二重鎖切断が誘発されると,細胞は非相同末端結合修復(non-homologous end joining;NHEJ),単鎖アニーリング修復(single-strand annealing;SSA),相同組換え修復(homologous recombination;HR)など複数のDNA損傷修復経路により損傷を修復する. しかし,DNA二重鎖切断を再結合し生き延びることができた細胞の中に,被爆後数十回の分裂を経た後に様々な遅延性の影響が生じることが明らかになった. この現象は,遺伝的不安定性の誘導と呼ばれる. したがって,放射線影響の全容を理解するためには,急性影響の発現機構に留まらず,再結合部位の安定性に注目する必要がある. そこで,本研究では,DNA二重鎖切断の修復に伴って生ずるクロマチン構造変化により誘導されると考えられているヒストンH2AXのリン酸化を指標にして,放射線被ばくを鋭敏に検出する系の確立を試みた.
著者
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児玉 靖司
大阪府立大・先端研
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児玉 靖司
大阪府立大学産学官連携機構先端科学イノベーションセンター放射線生命科学研究室
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若山 朱
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線生物学
-
若山 朱
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科放射線生物学研究室
-
児玉 靖司[他]
大阪府立大学先端科学研究所
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