高齢者の白粥摂取状況に関する調査
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概要
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高齢者の白粥摂取状況を調査した。大分県および兵庫県に所在する2大学に在学する管理栄養士養成課程の学生の祖父母で60歳以上の者およびその友人と知人を対象としてアンケート調査を行い,男女合計1,256人から回答を得た。白粥摂取状況の実態を年齢区分別,性別,義歯の状態別および家族構成別と,食べた経験,食べた理由,食べた白粥の種類,白粥の嗜好性および食べる回数との関係を解析し,次の結果を得た。1.家族構成別では,全体では「家族と同居」が最も多く,「70〜79歳」以上では性別で差が認められ,「一人暮らし」は男性よりも女性の方が多く,「夫婦二人暮らし」は女性よりも男性の方が多かった。2.「総義歯」の割合は,年齢が高くなるほど増加し,特に80〜90歳で増加した。3.満60歳を越えてから現在までの期間に「白粥を食べたことがある」人は全調査対象者の約76.0%を占めた。年齢が高くなるほど,また歯の状態が悪くなるほど「白粥を食べたことがある」人の割合は高くなった。4.白粥を食べた理由は,「風邪や下痢のため」が最も多く,次いで「病気のため」であった。90歳以上では「歯が弱くて固いものが食べられないから」が多かった。歯の状態が悪くなるほど,「歯が弱くて固いものが食べられないから」,「入れ歯があるので白粥が食べやすいから」の理由が多くなった。5。食べた白粥の種類は,「ご飯に冷たい水を加えて炊いた白粥」が最も多く,「市販の白粥」は少なかった。「市販の白粥」は「一人暮らし」に多く利用されていた。6.食べる頻度(回数)については,年齢が高くなり,歯の状態が悪くなるほど,「毎日」および「週数回」が多くなった。「施設入居」では白粥を「毎日」と「週数回」食べるを合計すると64.7%であった。7.白粥を食べた経験のある人のうち62%の人が「好き」と回答し,好まれていることがわかった。しかし,「嫌い」,「どちらでもない」と答えた人は,必ずしも積極的に白粥を食べていなかったことが伺われる。8.白粥はほとんどが主食として食されていた。
- 2006-08-20
著者
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