米飯の揮発性カルボニル化合物について
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概要
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米の炊飯時に生成する揮発性カルボニル化合物について検索を行なった.カルボニル化合物は2.4-dinitrophenylhydrazoneの誘導体にして捕集し,ガスクロマトグラフィーで定性的に調べた.同時にカラムならびにペーパークロマトグラフィーも行なった.1.各クロマトグラフィーの結果から,米飯の揮発性カルボニル化合物にはn-capronaldehyde, n-valeraldehyde, iso-valeraldehyde, n-butyraldehydeまたはacetone, acetaldehydeおよびformaldehydeの存在が推定された.このうちn-capronaldehyde, n-valeraldehydeおよびacetaldehydeはガスタロマトグラム上でピーク面積が大きかった.2.ぬかの揮発性カルボニル化合物も米飯に含まれるものと同じものが認められた.古米のぬかではn-capronaldehydeとn-valeraldehydeのピーク面積が大きかった.3.匂い米を添加して炊飯したときの揮発性カルボニル化合物には,普通の米飯に含まれるもの以外に新しいピークがガスタロマトグラム上に認められた.その1つはmethyl-n-butyrketoneと推察された.終りに,この実験にあたり種々御便宜を御与え下さった日本化薬株式会社に謝意を表する.
- 千葉大学の論文
- 1970-12-31
著者
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