澱粉の加熱処理並びに糊化後の貯蔵温度が消化に及ぼす影響
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概要
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市販澱粉4種(バレイシヨ,カンシヨ,トウモロコシおよびコムギ)を用い,澱粉糊化の際の加熱処理(温度・時間)ならびに糊化後の貯蔵温度が澱粉の消化に如何に影響するかについて,局方ジヤスターゼによる人工消化試験を行なつた.(1)加熱時間を一定にして,60〜110℃の各段階で糊化処理した澱粉ゲルの酵素消化による糖生成量は,糊化温度が高いものほど増加した.しかし100℃と110℃処理の両者の間ではほとんど差がなかつた.(2)糊化温度を100℃にして処理した場合,処理時間が15分以上になると酵素消化による糖生成量の差はほとんどなかつた.しかし110℃に処理したものは処理時間が長くなると糖生成量は低下した.(3)110℃で糊化した澱粉ゲルを37℃に貯蔵した場合,各澱粉の消化性は全貯蔵期間(40日間)を通じてほとんど一定であつたが,0〜1℃に貯蔵したものは貯蔵によつて低下した.(4)80,100および110℃の各温度で糊化した澱粉ゲルを0〜1℃に貯蔵した場合,糊化温度の低いものほど消化性は低下した.(5)100℃で糊化した各澱粉ゲルを0〜1℃に貯蔵した場合,バレイショおよびカンシヨ澱粉はトウモロコシおよびコムギ澱粉より消化性は低下した.本実験は石田典生君の助力に負うところが多い.ここに記して感謝の意を表す.
- 千葉大学の論文
- 1964-12-31
著者
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