ラン科ハクサンチドリの一者培養における種子発芽形態と増殖に関する研究

概要

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ハクサンチドリにおいて,種子の熟度がハイポネックス・ゲルライト培地とノドソンC・ゲルライト培地での無菌発芽に及ぼす影響を調べたところ,受粉後40日目の未熟種子をハイポネックス・ゲルライト培地に蒔いたものが最も高い発芽率を示した。さらに,その受粉後40日の未熟種子をハイポネックス・ゲルライト培地に蒔き,日長条件が無菌発芽に及ぼす影響を調べたところ,明期が短くなるほど発芽率が上昇し, 24時間暗期試験区で最も良い結果を得た。無菌播種により得たプロトコームを, 0.3%ゲルライト添加,ホルモン無添加, pH5.8のMSならびにB5基本培地および1/2, 1/4,希釈培地に移植して, 22±1℃, 16時間明期条件で,幼植物体分化に及ぼす影響を調べたところ, 1/2, 1/4 MS培地で発根が促され1/2, 1/4 B5培地でシュートの成長が良好であった。プロトコーム様体の形成と大量増殖は, 0.2mg/1以下NAAと0.2mg/1 BA添加のB5液体培地, 24±1℃, 2rpm回転培養, 2,000-10,000 lux 24時間照明で最も良い結果を得た。
国立科学博物館の論文
1997-12-25