Vanda pumilaの苗条原基法による保全とクローン大量増殖
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概要
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絶滅危惧種 Vanda pumila の無菌発芽後60日目のプロトコームの茎頂ドームを0.02mg/l BAPと2%ショ糖を含むB5液体培地 (pH5.8) 中で回転培養して, 着生ランとして初めて組織培養苗条原基を作出し, 継代培養して大量増殖系を確立した. 小植物体の再分化は, 苗条原基集塊を, 1%ショ糖を含むホルモン無添加1/2 B5寒天培地に移植し, 120日以上培養して最大値に達した. この小植物体再分化能力は継代を開始して3年後の現在も維持されている. そして, 継代培養を続ける苗条原基で, 常に安定した染色体数2n=38が得られている. 以上の結果から, Vanda pumila の保全に苗条原基法が有効であることが証明された. またこの手法は, Vanda 優良個体の品種化を目的としたクローン大量増殖にも有効であると考えられた.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文
- 1995-12-01
著者
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