コムギ葯培養における効率的な花粉胚状体形成培地の検討

概要

論文の詳細を見る
コムギ葯培養における効率的な花粉胚状体形成系を開発するために培地に添加する糖源,maltoseの濃度,培地の滅菌方法,培養に用いるシャーレの種類を検討した。また,maltoseを添加したC_<17>合成培地とPotato 2培地との比較検討をおこなった。コムギ葯培養における花粉胚状体形収用の培地に添加する糖源として単糖類4種類(galactose, glucose, mannoseおよびfructose)と二糖類4種類(sucrose, maltose, lactoseおよびcellobiose)を検討した。培地はC17培地に各糖類を0.26M加えて濾過滅菌した液体培地を用いた。全ての品種で最も高い花粉胚状体形成率を示した糖はmaltoseであった。 glucose もしくはlactoseを含む培地でも品種によってはsucroseよりも高い花粉胚状体形成率が得られた(Table1,2)。培地の滅菌方法としてはオートクレープによる滅菌ではsucrose, maltoseの培地両方とも濾過滅菌に比べて花粉胚状体形成率が半減してしまった(Table 3)。葯培養培地は濾過滅菌をしたほうが良いことがわかった。葯培養に用いる培養容器について,5種類のシャーレ(Coaster 3035, Corning 25000, Falcon1008, Falcon 3001 および60mmφX10mmのガラス製シャーレ)を用いて比較検討したところ,最も高い花粉胚状体形成率が得られたのはFalcon 3001であった(Fig.2)。 6品種を用いてC_<17>培地にmaltoseを0.26M加えて濾過滅菌した液体培地とオートクレープによる滅菌をしたPotato 2液体培地における花粉胚状体形成率を比較したところ,より高い胚状体形成率が得られた培地は品種によって異なった(Table 4)。 maltose を含む培地上で形成された花粉胚状体は最も高い緑色植物体再生率を示したが,アルビノ植物の再生率も最も高かった(Table 5)。
石川県農業短期大学の論文

コムギ葯培養における効率的な花粉胚状体形成培地の検討

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク