パーティクルガンで金粒子を照射されたイネ胚盤組織の組織学的観察
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概要
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カルス誘導培地に7日間培養したイネ完熟種子胚の胚盤組織細胞にパーティクルガンで遺伝子を導入して形質転換イネを育成している。ここでは,DNAをコーティングした金粒子を照射された胚盤組織を組織学的に観察した。培養7日後,胚盤の表皮組織を構成する柵状細胞が細胞分裂をして数細胞となっている。パーティクルガンを照射すると,全粒子は均一にその胚盤組織の表面に散布される。内部の細胞層にまで貫通する金粒子は殆ど見られない。しかし表層では金粒子が導入されている細胞が見られる。2週間培養を続けると,胚盤表皮層の細胞は分裂を続け,細胞塊を形成する。1個の柵状細胞が分裂を繰り返し,胚発生に似た増殖をし,大きな細胞塊となっているのが観察された。これらの胚抗体は生長を続け,再分化植物体となると考えられる。従って,遺伝子がコーティングされた金粒子が表層の細胞にのみ導入されることによって,胚盤表層の細胞は再分化能力が高いため,形質転換イネは比較的効率よく得られると考えられる。また,形質転換体は単一細胞の増殖によって再生するので,得られた形質転換イネはキメラてはないと考えられる。
- 石川県農業短期大学の論文
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