電子レンジによる保存飯の再加熱条件の検討(III : 自然科学編)
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概要
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冷蔵および冷凍保存飯を電子レンジで再加熱する際の加水量とその効果について検討した結果以下のことが明らかになった。1.冷蔵1日,3日および7日の保存飯を電子レンジにより再加熱すると,1日および3日保存飯の性状に大きな変化はなかったが,7日保存飯では炊きたて飯に比較し,色が黄色になり,硬いと評価された。しかし総合的評価および好ましさでは有意差がなく,保存可能と判断した。また,冷凍保存飯では1週間の保存で粘りが有意に大きくなり,2週間保存および4週間保存では色,つや,においが有意に低い評価となり,硬さが有意に大きくなった。しかし,総合的評価および好ましさでは有意差は認められなかったので4週間まで保存可能と判断した。2.炊きたて飯の水分が61.3%であったのに対し,冷蔵保存および冷凍保存飯を再加熱した飯の水分は56.2%〜60.0%と少なかった。さらに,冷蔵保存飯では水分蒸発率が若干大きい傾向があるが,冷凍保存飯ではその傾向はなく,冷蔵保存飯の方が水分子に対する電子レンジ加熱の影響を受けやすいことが示唆された。3.冷蔵保存飯に対する加水効果は4%まで認められた。冷蔵保存飯の場合,加水量が多くなると,柔らかく,粘りもなくなった。4.冷凍保存飯に対する加水効果は保存期間が長いほど大きく,加水により色,つや,においの評価が高くなった。硬さや粘りのムラが認められるが,粘りは保存期間が長いものほど加水量が多いと高かった。冷凍1週間保存では2%,冷凍2週間保存では6%,冷凍4週間では10%の加水まで炊きたて飯との間に有意差はなく加水効果が認められた。
- 1999-02-28
著者
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