伊豆半島下田周辺の多毛類
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概要
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「富士・箱根・伊豆の自然史科学的総合研究」の二年目として, 1981年10∿11月に下田周辺海域の多毛類の調査を行った。下田は伊豆半島の東岸に位置し, 黒湖に強く影響される場所である。かつて奥山 (1938) は須崎周辺の調査を行って74種の多毛類を報告しており, 高橋 (1939) もまた真鶴沖や伊東沖でドレッヂを行って19種の多毛類を報告している。本調査では水深29∿123m の海底の31地点でドレッヂ採集を行ない, また鍋田湾内に設置されている浮標上の付着生物も採集した。これらの採集で得られた多毛類を研究した結果, 149種と不確定種31が確認された。この中の Eteonides, Cabira, Synelmis, Naineris, Pycnoderma, Parheteromastus, Leiochrides, Leiocapitella, Heteromastus の9属は日本で初めて記録された。この調査によって下田周辺海域の多毛類は100種以上追加されたが, 特に次の4科, Syllidae, Maldanidae, Capitellidae, Serpulidae では次のように種数が大幅に増えた。 大部分の種類は暖流に影響される各地に広く分布しているものである。
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