パラオ諸島とヤップ諸島から得られたカンザシゴカイ類(多毛類)(北赤道海流域における海産動物相の調査報告 : I.1980年6〜7月の調査によるパラオとヤップ諸島のサンゴ礁動物相の研究)
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概要
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昭和55年度文部省科学研究費補助金による海外学術調査(研究代表者 今島 実,課題番号504101)が昭和55年6月8日〜7月20日間に,ミクロネシア海域のパラオ諸島とヤップ諸島において海産動物相を明らかにする目的で実施された.この調査により多くの多毛類が採集されたが,ここではカンザシゴカイ科について研究された.それはパラオ諸島のカンザシゴカイ科は現在まで2種のみしか知られていず,甚だ不充分であることと,日本では今島(1976〜)によりかなりよく調査されていてミクロネシア海域の種類相と日本の種類相とを比較検討できるなどからである.パラオ諸島とヤップ諸島から9属,27種のカンザシゴカイ類を明らかにした.この中にはSerpula palauenseとHydroides bifidusの2新種とSpirobranchus tricornigerus decoratusの1新亜種が含まれる.明らかにされた27種を日本,フィリピン,オーストラリア,インド洋,その他の海域などと各種の分布を比較してみると,20種(74%)が南日本に,18種(66%)がオーストラリアに,そして15種(55%)がインド洋に分布している.フィリピンとの共通種(7種,25%)が少ないのはフィリピン海域でのこの類の研究が不充分なためと考えられる.
- 日本動物分類学会の論文
- 1982-06-25
著者
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