時効硬化性金合金の bonding retainer への応用の可能性
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概要
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九州大学大学院歯学府において開発された歯科鋳造用金合金AuCuGaは, 700℃で溶体化処理を施す事により口腔内温度で時効硬化する特性を持っている.本研究はこの金属をbonding retainerへ応用できるかどうかを検討することを目的として実施した.ワイヤ状AuCuGa合金を試験試料とし, 引張り試験で溶体化熱処理条件による物性の経日的変化を, 片持ち張り試験で溶体化処理直後および時効硬化1週の物性と他のワイヤの物性との比較を行った.また賦形した形状の安定性を調べるためにspring back試験を行った.結果は以下の通りであった.1.AuCuGa合金はワイヤに加工しても溶体化処理をすることで柔らかくなり, AuCuGa鋳造用合金と同様の特性を発揮した.2.AuCuGaワイヤは溶体化温度を450℃に下げた場合はやや硬くなるものの, AuCuGa鋳造用合金とほぼ同様な時効硬化の特性を示した.3.AuCuGaワイヤの応力-ひずみ曲線の形態や伸び量は, Elgiloy wireとBrass wireの中間的な物性を示した.4.AuCuGaワイヤは, 時効硬化しても安定した形状を維持した.以上の結果より, このAuCuGa合金線は口腔内において歯列舌側に直接圧接, 賦形でき, さらに口腔内温度で硬化する新しいタイプの保定用ワイヤとして利用できる事がわかったので, チェアーサイドで製作装着できる簡便な臨床応用法とあわせて報告した.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
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森下 格
九州大学歯学部歯科矯正学講座
-
中島 昭彦
九州大学大学院歯学研究院 口腔保健推進学講座 咬合再建制御学
-
中島 昭彦
九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
-
中島 昭彦
九州大学大学院歯学研究院・口腔保健推進学講座・咬合再建制御学分野
-
名方 俊介
九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
-
森下 格
九州大学大学院歯学府口腔保健推進学講座咬合再建制御学分野
-
花岡 健太郎
九州大学大学院歯学府口腔保健推進学講座咬合再建制御学分野
-
太田 道雄
九州大学大学院歯学府
-
名方 俊介
九州大学大学院歯学研究院
-
中島 昭彦
九州大学大学院歯学研究院 口腔保健推進学講座 咬合再建制御学研究分野
-
中島 昭彦
九大・歯学研究院
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