Duchenne 型筋ジストロフィー症患者における顎開閉筋機能の平衡性と顎顔面骨格形態との関係について
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概要
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筋の機能低下を主な症状とするDuchenne型筋ジストロフィー症(DMD)患者では, 疾患の進行に伴って特異的な咬合異常(開咬)が発現する.この顎顔面形態の特徴と咀嚼筋機能を分析し, DMD患者の特徴を見い出すとともに, 顎顔面形態と咀嚼筋機能との関係を調べる目的で本研究を行った.成長がほぼ終了したと考えられるDMD患者19名(DMD群), および成人健常者25名(健常群)を対象とし, 側面セファロを用いて形態分析を行った.また最大噛みしめ時の側頭筋前部, 咬筋, 最大開口時の顎二腹筋前腹の表面筋電図を用いて周波数分析を行い, 各筋の機能評価にはMedian周波数を, 開閉口筋機能の平衡性の評価にはLissajous分析を行った.これらをもとに健常群とDMD群の比較を行うとともに, DMD群においては機能と形態との相関を算出した.DMD群は閉口筋で筋機能低下を示し, 下顎角の開大, 上下顎臼歯の挺出, 下顎枝長に対する下顎骨体長の増加, 下顔面高の増加, 下顎下縁平面角, 咬合平面角の開大, 前歯部の重度の開咬を示した.また相関分析より, 口蓋平面角, 下顎角, および上顎臼歯の高さが, 側頭筋, 咬筋, 顎二腹筋の平衡性と, 下顎骨長, 下顎前歯軸が咬筋と顎二腹筋の平衡性と関係し, さらに下顎枝長は顎二腹筋機能と関係することが示唆された.これらの結果から閉口筋の機能低下が上顎臼歯部を下方位へ, 逆に開口筋の機能が維持されるために下顎枝の垂直方向への成長が十分行われず, その結果上顎臼歯を回転中心として開咬が生じたと考えられる.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
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中島 昭彦
九州大学大学院歯学研究院 口腔保健推進学講座 咬合再建制御学
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中島 昭彦
九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
-
中島 昭彦
九州大学大学院歯学研究院・口腔保健推進学講座・咬合再建制御学分野
-
原 淳
九州大学歯学部付属病院口腔保健科矯正歯科
-
上原 美智也
九州大学歯学部付属病院口腔保健科矯正歯科
-
名方 俊介
九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
-
名方 俊介
九州大学大学院歯学研究院
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