薄型マグネットを用いた埋伏歯牽引法に関する研究 : NdFeB 磁石を使った牽引力の測定

概要

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本研究の目的は磁力を用いて, 埋伏歯の牽引方法を開発することである.今回はマグネットが牽引に十分な吸引力を発揮するかどうかを調べた.試料として, 直径5.0mm, 厚さ0.5mm, 1.0mm, 1.5mm, の3種類の円盤状のNdFeB磁石(NEOMAX-46)を用いた.これらの2枚を1組としたすべての組み合わせについて, 4種類の異なる角度(θ=0°, 10°, 20°, 30°)で対面させ, それぞれにおける距離-角度-牽引力の関係を調べた.さらに最も薄い0.5mmマグネットを用いて1枚と数枚重ねたマグネット間の距離-角度-牽引力の関係を同様に測定した.結果は以下の通りであった.1. 最接近距離での牽引力はθ=0°, 1.5mm-1.5mmの組み合わせが最も強く約490gfであった.θ=30°, 0.5mm-0.5mmが最も小さく約50gfであった.2. θ=10°, 20°, 30°の場合, θ=0°の時に比べてそれぞれ約60-70%, 約50%, 約40の牽引力を発揮した.3. 重ね合わせ法では同じ厚さの単体マグネットより約15%低い牽引力を示した.しかしマグネット間の牽引力は30°以内で傾斜埋伏した歯を挺出させるのに十分な力であった.
日本矯正歯科学会の論文