細菌性内毒素の脳室内投与後の肝CYP2C11mRNAの減少とヘムオキシゲナーゼの増加
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概要
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我々は,既報(Arch. Toxcol. 1998, 72, 492-498)で細菌性内毒素であるリポポリサッカライド(LPS)をラットの脳室内に投与し,24時間後に肝臓の薬物代謝酵素Cytochrome P450(CYP)がアイソザイム特異的に低下すること,これは,腹腔内では影響の無かった碌与量0.1 μgでも生じることを報告した.我々の調べたCYPアイソザイムの中で,雄ラットに特異的なCYP2C11が,LPS脳室内投与によって減少していた.本研究では,LPS脳室内および腹腔内投与10時間後のラット肝臓におけるCYP2C11の遺伝子発現,全P450量,CYP2C11依存のイミプラミンN脱メチル化活性およびCYP2C11蛋白量を調べた.この時点でのCYP2C11蛋白量は有意な減少を示さなかったものの,全P450量(生理食塩水を脳室内投与したコントロール値の70%),CYP2C11のmRNA(63%),活性(74%)は,LPS脳室内投与10時間後に有意に減少した.一方,腹腔内投与は,これらのパラメーターを有意に減少させなかった.次に,CYPはへム蛋白であることから,LPS脳室内投与10時間後のラット肝臓におけるヘム分解に関与するヘムキシゲナーゼ(HO)の活性を測定したところ,HO活性は,脳室内投与により166%,腹腔内投与により135%増加した.以上のことから,LPS脳室内投与は,CYP2C11を転写レベルでダウンレギュレーションしていること,さらに,転写後のレベルでCYP2C11に対するヘム供給の減少を生じ,機能的CYP2C11の減少に寄与していることか示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1999-06-25
著者
-
藤田 正一
北海道大学大学院獣医学研究科環境獣医科学講座
-
北村 浩
北海道大学大学院獣医学研究科生化学教室
-
数坂 昭夫
北海道大学獣医学研
-
藤田 正一
北海道大学大学院獣医学研究科毒性学教室
-
藤田 正一
北海道大学大学院獣医学研究所
-
数坂 昭夫
北海道大学大学院獣医学研究科環境獣医科学講座毒性学教室
-
嶋本 良則
北海道大学大学院獣医学研究科環境獣医科学講座毒性学教室
-
田崎 隆史
北海道大学大学院獣医学研究科環境獣医科学講座毒性学教室
-
廣瀬 享吾
北海道大学大学院獣医学研究科環境獣医科学講座毒性学教室
-
北村 浩
北海道大学大学院比較形態機能学講座生化学教室
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