繁殖季節における雄猫の血中 androgen量および造精機能
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概要
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繁殖季節における雄猫の androgen分泌状況を明らかにするため, 末梢血中 testosterone (T)の日内変動, 精巣静脈血と末梢血中における androgen量 [androstenedione (A), 5α-dihydrotestosterone (DHT), T]の関係について観察した. また精巣の組織学的観察によって造精機能についても検討した. 実験には自然採光下の猫舎内で飼育されている年齢2-3才, 体重3.5-4.0kgの雄猫9頭を用いた. その結果, 雄猫の日内における末梢血中T量は, 個体によって大きく変動していたが, 一定の傾向は認められず, episodicな分泌であった. 精巣静脈血中における androgenは個体によってかなりの差が認められたが, 左右の間ではほ等しかった. また3種 androgen量は, それぞれ精巣静脈血と末梢血の間で相関関係が認められた(A:P<0.01, DHT:P<0.05, T:P<0.01). 精巣の組織所見は, いずれの猫においても活発な精子形成が認められ, 各個体間において精細管径および各種精細胞数にも有意差は認められなかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1990-08-15
著者
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河上 栄一
日本獣医生命科学大学獣医臨床繁殖学教室
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筒井 敏彦
日本獣医畜産大学獣医臨床繁殖学教室
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村尾 育子
日本獣医畜産大学獣医臨床繁殖学教室
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河上 栄一
日本獣医畜産大学獣医臨床繁殖学教室
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小笠 晃
日本獣医畜産大学獣医臨床繁殖学教室
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河上 栄一
日本獣医畜産大 獣医
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Stabenfeldt George
カリフォルニア大学獣医学部
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小笠 晃
日本獣医畜産大学
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筒井 敏彦
日本獣医畜産大学
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小笠 晃
家畜衛試
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