matK遺伝子によるカバノキ科の系統解析, 特にOstryopsisの位置について
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概要
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カバノキ科の全6属の系統関係を,特にまだ類縁が明らかにされていないOstryopsisを中心に粟緑体遺伝子matK(1260塩基)の解析により研究した。解析にはカバノキ科6属の他に,近縁と考えられているTicodendron(ティコデンドロン科)とモクマオウ属(モクマオウ科)も加え,ナンキョクブナ属(ナンキョクブナ科)を外群として最節約法により系統樹を作成した。その結果,1系統樹だけが得られ,6属からなるカバノキ科が100%ブートストラップ確率で支持される単系統群であること,カバノキ科はTicodendronと姉妹群であることが明らかにされた。また,カバノキ科は従来一般に考えれてきたようにハンノキ属とカバノキ属からなる群(カバノキ亜科)とシデ層,ハシバミ属,アサダ属,Ostryopsisの4属からなる群(ハシバミ亜科)に分けられことも明らかになった。しかし,ハシバミ亜科の属はシデ属とアサダ属からなるシデ連とハシバミ属とOstryopsisからなるハシバミ連に分けられ,これまで発表されてきた分岐分類による解析結果とは異なる結果が得られた。この結果に基づいて,ハシバミ亜科をシデ属とアサダ属からなるシデ連とハシバミ属とOstryopsisからなるハシバミ連に分類するFurlowの見解を支持した。また,二つの連それぞれの共有派生形質についても検討した。
- 日本植物分類学会の論文
- 1999-02-28
著者
-
荻沼 一男
高知女子大学保育短期大学部
-
戸部 博
京都大学総合人間学部
-
荻沼 一男
高知女子大学
-
戸部 博
京都大学
-
加藤 英寿
京都大学大学院人間・環境学研究科
-
加藤 英寿
東京都立大学理学部牧野標本館
-
GU ZHIJIAN
中国科学院昆明植物研究所
-
HAMMEL BARRY
ミズーリ植物園
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加藤 英寿
東京都立大・理
-
荻沼 一男
高知女子大・家政・生活理学
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