Eusideroxylon zwageri(クスノキ科)の核形態
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概要
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クスノキ科Eusideroxylon属の唯一の種E.zwageriの間期, 前期, 中期の染色体の形態が初めて観察された。その結果, 間期, 前期, 中期とも染色体の特徴はこれまで報告されているクスノキ科の他の属の特徴とよく似ていることが分かった。しかし, Eusideroxylonは, 今まで報告されたクスノキ科の染色体2n=24,48,72(基本数x=12)とは異なり, 2n=30をもつ。これは, クスノキ科の基本数をx=6として, その5倍体とも考えられるが, Eusideroxylonの種子が不稔ではないことから, むしろx=15あるいはx=5と考えられる。Eusideroxylonの染色体数はクスノキ科の中では派生的と考えられ, 半下位子房や弁化した仮雄蕊などの花の派生的特徴と共にEusideroxylonがクスノキ科の中でも進化した属であることを示唆している。しかし, 近縁と考えられているPotoxylonやHypodaphnisに関する染色体のデータがなく, 研究が待たれる。
- 日本植物分類学会の論文
- 1995-04-28
著者
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